30年目の手記
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『30年目の手記』は、1995年から現在まで震災体験の手記集の出版を行っている「阪神大震災を記録しつづける会」の取り組みをもとに、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)および災間文化研究会によるリサーチプロジェクト「災間スタディーズ:震災30年目の“分有”をさぐる」(2023年11月〜2025年3月末)の一環として行われた手記募集プロジェクトです。
「阪神・淡路大震災にまつわる手記を募集します。お寄せいただくエピソードは、震災当時に限ったものではありません。震災から30年のあいだにあったことや感じたことなど、誰かとわかちあいたいエピソードをお書きください」。この呼びかけ文とともに、2024年1月17日から約1年にわたって手記を募集しました。
阪神・淡路大震災から「30年目の手記」:https://kiito.jp/saikanshuki/
書籍「30年目の手記」は、寄せられた125編の手記を収録しています。
震災で生業を失った人、被災地と日常のギャップを感じた人、被災地を外から見つめた記憶に葛藤を抱く人、日々のなかに小さな幸せを見出した人、震災後に生まれ親世代に思いを馳せる人──さまざまな時間を生きた言葉が集まりました。
手記は、執筆者の年齢順に並べられています。震災後に生まれた10代、20代、震災当時に子どもだった30代、40代、大人として経験した50代から90代。それぞれの時間のなかで、震災という出来事に触れようとした言葉が並んでいます。
また、ページの下部には、2025年1月から過去へと遡るタイムラインとして、震災にかかわる社会的な出来事を記しています。個々の手記と社会の時間の流れを行き来しながら、読者のみなさんのそれぞれの経験を重ねることで、震災という出来事の輪郭を掴んでもらえればと思っています。
文庫サイズのハードカバーで設えた本書は、ありふれた日常のかけがえのなさを手元で感じてもらえることを意図しています。
アートワークに五月女哲平さん、書籍デザインに横木美奈子さん(CACSI LLC.)、ストラクチャーディレクションに片田友樹さん(micelle ltd.)を迎え、災厄の記録や継承に関心のある方々はもちろん、広くアートや表現に関わる方々にも関心をもっていただける仕様です。
本書は、災害が多発し、分断が幾重にも走る今、あるひとつの出来事にたいして異なる背景を持つ人々が安心して言葉を寄せる場所をつくることの一例としても受け取っていただければと思っています。